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「療育者の困難感に関する研究」の紹介

子どもの療育をされている先生方が困難に感じていることを調査した研究を見つけたので一部を紹介します(引用文献は文末へ)。


さらにこちらの紀要の結果から感じたことについても考えてみました。



「療育者の困難感に関する研究」の紹介

【研究概要】


児童発達支援に従事する療育者(150名)に対して「子どもの療育をする上で困難に感じていること」についての自由記述を調査した研究。


現実的問題として「子どもの関わりに対して困っている」「療育の実施で困っている※1」「保護者に対して困っている※2」が挙げられた。


中核的問題として「専門性の不足※3」「療育者を取り巻く環境の問題」に直面している。


療育上の困難感について、「自分問題※4」として置き換え、「哲学的悩み(障害とは?療育とは?といった答えが明確でない悩み)」などと抱えていることが明らかになった。


※1療育の実施で困っている・・・実施する療育の妥当性への悩み・不安11件、教材作りの難しさ4件、療育の組み立てる難しさ27件(①目標設定、②プログラム・課題を考えること、③子どもの状態像の把握・見立て・見極め)


※2保護者に対して困っている・・・コミュニケーション・関係作りの難しさ4件、保護者の認識のズレに対する難しさ13件(保護者と療育者との認識のズレ・保護者の認識と子どものニーズとのズレ)、家庭の支援・対応の難しさ8件(保護者への対応・家族を含めた支援・家庭内に関する相談)


※3専門性の不足・・・専門知識の不足7件・スキル不足3件・レパートリーの少なさ4件・経験の不足1件


※4自分問題・・・自分の関わり方への疑問2件、せねばならないなどの自己の考え方5件



【紀要の結果から感じたこと】


・年齢や経験年数によって困り感に差があると思う


・療育に携わる先生たちの困り感を知り、サポートを考えたい

→「家族を含めたアセスメント」・「認識のズレが生じた場合の対処法について」・「チームでの対策の仕方について」


・療育上の困難感が、自分を責めるような認識にならないようなフォローや体制作りについての情報提供が必要



本日は紀要の紹介と、その上で療育支援者Labo.で提供できるものについて考えてみました。


【紹介した文献】

横畑泰希・板川知央(2019)「療育者の困難感に関する研究ー「子どもの療育をする上で困難に感じていること」への自由記述回答からの分析ー 未来の保育と教育 東京未来大学保育・教職センター紀要 第6号 111‐122.

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