ハラスメント防止法が施行されるようになり、職場環境を整えようと多くの企業が取り組んでいます。
しかし、一方で、上司の方から「今のご時世叱れない」「下手に注意してハラスメントです!と言われたくない」「口出ししない方が安全」という声を聞きます。
つまり、ハラスメントを恐れて部下とのコミュニケーションを避けている状況があるようです。
結論から言いますと、「叱らないこと」でハラスメントになるリスクが高まります。
「コミュニケーションを避ける」ことは本人の成長を阻害し、本人を危険にさらすことになる、企業の危機につながる、「教えてくれない」「放置されている」と部下が感じるという問題があります。
そのため褒めるなどのポジティブなコミュニケーションだけでなく、注意する、叱るといったネガティブなコミュニケーションの両方が大切です。
本日はネガティブフィードバックのポイントを、書籍「ネガティブフィードバック 「言いにくいこと」を相手にきちんと伝える技術」(著者:難波猛)から抜粋して述べます。
①まずは、ネガティブフィードバックをする目的を考えましょう
ネガティブフィードバックとは、自分の言うことを無理やり聞かせるコミュニケーションではありません。
フィードバックされた相手が、それによって自発的に内省し、気づくことを目標としています。
相手の行動は明日からすぐに変わるということはないため、継続的・中長期的に変化すると思い、指摘する側は結論を急がず粘り強く関わることが必須となります。
②ネガティブフィードバックの目的を理解したら、短期的に嫌われることを覚悟しましょう
「耳の痛い話」をされて喜ぶ人はいません。
また、人は、居心地のいい状態から引き離されそうになることについては抵抗(闘争・逃走)するのは自然です。
なので、部下から嫌な顔をされる、短期的には嫌われるという覚悟を持ってからはじめましょう。「今の状態を放置することは本人・組織のためにならない」と整理して覚悟を決めてスタートしましょう。
③合意を得てからネガティブフィードバックの面談をはじめる
「今ちょっといい?」といきなり呼びつけて問題点や改善してほしいことを指示的に伝えるのはNGです。
なぜなら不意打ちで厳しいフィードバックをされると相手は 身構えていない状態のため感情的になりやすかったり、後々聞く耳を持ってくれないこともあります。
なので「これから耳が痛いことを伝えなければいけないのですが、聞くモードでなければ改めますがいかがですか?」と相手の合意を得るところからはじめましょう。
相手の自己決定・意志を尊重を大切に。「合意を得る=相手は自己決定している」ことの1つになります。
他にもポイントはいくつかありますが、
①ネガティブフィードバックをする目的を考える(フィードバックされた相手が、それによって自発的に内省し、気づくことを目標)
②部下から嫌な顔をされる、短期的には嫌われるという覚悟を持つ
③合意を得てからネガティブフィードバックの面談をはじめる
というステップを意識して臨みましょう。
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